加工事例

弊社(ADC及び日本支店)技術者は、常にフェムト秒レーザ加工での新たな工法を探索しています。下記はFCPAレーザの優位性を示す、 幅広い材料への加工応用事例です。

FCPAレーザーでチップブレーカーをダイヤモンド製の切削工具に加工しました。

チップブレーカーとは、旋削加工で用いる切削工具でワークを削っているときに発生する「切りくず」を処理するために設けられた工具先端の「溝」や「障壁」のことです。 フェムト秒レーザはダイヤモンドやcBNの超硬工具にも加工が可能なので、思い通りの形状へと加工できます。

材料:SUS304

金属材料表面に対して特定の条件でレーザ照射をすると、写真のような表面形状を形成することができます。黒く見える箇所は、表面に数μm~数十μm程度の穴が空いています。材料の種類やレーザ照射条件を変えることにより、表面形成を変えることができます。

材料:ナイロン 材料直径:0.4mm 切込深さ:約0.1mm

フェムト秒レーザーによる非熱加工では、一般的には熱に弱いとされる材料にも加工が可能です。 例えば、写真のナイロンチューブにFCPAレーザーを斜め30度で照射。 アブレーションにより、ナイロンの溶け残りは無く、きれいな切り口となります。

ガラス板2枚で塩化コバルト紙を挟んで溶接し、シール性を確認 ソーダライムガラスにシリコンの板を溶接

FCPAレーザは特に「透明材料加工」に優れており、透明材料同士或いは透明材料と熱伝導材料との溶接が可能です。これは連続波や長パルスレーザに対する、FCPAレーザ独特の長所によるものです。

材料:SiC 材料厚さ:350μm 傾斜角: 15,40度

フェムト秒レーザを用いてレーザ走査を制御することにより、写真に示すような傾斜(テーパー)のついた切断加工が実現できます。今回は半導体基板であるSiCを材料としましたが、材料を問わず透明体から金属材料まで対応可能です。

材料:SUS304 材料厚さ:150μm 穴径:φ300μm

フェムト秒レーザを用いて金属材料SUSへ穴あけ加工した結果です。非熱加工を特徴とするフェムト秒レーザで加工した場合、写真に示されるように加工端のバリ(加工時に発生する突起)が低減された加工が実現できます。そのためバリ取りの工程を省くことが出来、さらにシャープな加工端に仕上げることが可能です。