アブレーションと微細加工

上図:熱影響領域図; 下図:FCPAによるステンレス鋼の直径50μmの穴の微細加工

材料とのレーザ相互作用における力学では、レーザ光から材料へのエネルギーの移動時間に影響を受けます。ほとんどの場合、まず電子が光からエネルギーを吸収して励起されます。 次に、そのエネルギーは電子から原子または分子に伝達されます。 この伝達に必要な時間はフォノン放出時間で表されます。 電子とフォノンが熱平衡にあるとき、その状態は単一温度で表され、熱化されていると言います。 これは、熱化されていると呼ばれます。 実際には、相互作用するレーザおよび材料のパラメータの詳細に応じて、高温/低温および熱/非熱領域が共存します。

 レーザによる材料加工で重要なのは、材料に吸収されたエネルギーの内のどの程度がアブレーションに使われるかです。  それを知るには、(間接的ですが)、熱に替わってしまったエネルギー量を計測することが有効です。そのエネルギー量は、通常、熱影響領域(HAZ)で表されます。  上図に示すように、HAZが大きい場合、デブリ、キャスト、その他望ましくない不要物を生成することにつながります。  近年の精密部品の加工品質を満たすには、HAZをなくすか最小限に抑える加工方法が必要とされてきています。