バイオメディカル

フェムト秒レーザには驚くほど多くの応用の可能性があり、特に健康医療産業においてそれが当てはまります。平均出力が低いため熱による生物有機体の損傷量が制限される一方で、強度およびピーク出力は、高分解能顕微鏡検査から精密な外科処置に至るまで幅広い医療用途での非線形処理を可能にするのに十分な強さがあります。

フェムト秒ファイバーレーザを使用する最も一般的な生物医学応用例のいくつかを以下に紹介します。

組織修正および顕微鏡手術 | 医療装置の製造 | バイオメディカルイメージング

 

組織修正およびマイクロ手術

微細加工のために効果を発揮する超短パルスレーザの独特の特性は、複雑あるいは繊細な外科処置においても大いに役立ちます。フェムト秒レーザによって、組織の周囲部位をほとんどあるいは全く損傷することなく正確に組織を切除することができます。

眼科

組織修正をするためのフェムト秒レーザの最も定評ある用途の一つは、レーシック(生体内レーザー屈折矯正術)です。精密で、損傷を最小限に抑えることができるフェムト秒パルスは、目の繊細な透明の角膜を切開する手術に理想的です。

フェムト秒レーシック法は10年以上にわたって行われていますが、エキシマレーザを必要としない完全フェムト秒レーシックなど、改良されたレーザ処置法が今もなお開発され続けています。
また、新しい種類の視覚矯正も認められつつあります。よく知られている例が白内障手術で、フェムト秒レーザを用いて水晶体患部を砕くことができます。もう一つの可能性が、加齢によって水晶体が硬化して近い物体に焦点を合わせることができなくなる老眼の緩和です。
水晶体に精巧なレーザカットを網の目のように入れることで柔軟性を回復し、水晶体の形が変わり、近い物体に焦点を合わせることができるようになります。

組織修正に関する論文

レーザモデル
タイトル
D-400 2008 In vivo application and imaging of intralenticular femtosecond laser pulses for the restoration of accomodation
BX-60 2009 In vivo molecular evaluation of guinea pig incisions healing after surgical suture and laser tissue welding using Raman spectroscopy
D-400 2009 Visualization of femtosecond laser pulse-induced microincisions inside crystalline lens tissue
D-400 2009 Femtosecond laser treatment enhances DNA transfection efficiency in vivo
D-1000 2012 Precise ablation of dental hard tissues with ultra-short pulsed lasers.  Preliminary exploratory investigation on adequate laser parameters.

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医療装置の製造


後処理前の医療装置材料のフェムト秒レーザ微細加工。
左: 直径3 mm、厚さ250 µmの生体吸収性チューブ上の1 mm径の穴。
右:直径5 mm、厚さ50 µmのナイチノールチューブのパターンカット。

 

フェムト秒レーザ独自のアブレーションの特徴は、デブリ、リキャスト、バリを抑えるとともに熱影響領域を最小限にしながら高精密な微細加工を可能にすることです。さらに、加工物に対して付随的損傷が少なく、透明な材料の切断、ドリル加工、および溶接が可能になります。
こうした独特の加工能力は半導体産業でも利用されています。きわめて短時間のレーザパルスエネルギーの付与で驚くほどきれいなアブレーションができ、吸収されたレーザエネルギーがアブレーションの周囲領域に熱として放散する前に効果的に材料を切除することができます。

こうした方法は、体内での器具の性能や寿命を向上させるために熱の伝達によって周囲材料の特性を変えることなく精密できれいな切断が必要とされる、血管ステント等の医療デバイスを製造するために非常に重要です。

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バイオメディカルイメージング

バイオメディカルイメージングの多くは、励起レーザ源によって生物試料の標的分子を蛍光発光させます。ある種の天然生物細胞は、適当な波長によって励起されると蛍光発光します。
それ以外の場合では、特定の細胞を標的にしてそれに付着する組織の中に蛍光性分子を挿入します。非線形吸収を利用すると、レーザの焦点の領域だけが蛍光を励起させるのに十分な強度を持ちます。この蛍光を利用して、レーザの焦点を試料内の3次元グリッドの端から端まで走査させることによって組織を描画することができます。
フェムト秒レーザの超短パルスによって、高い平均レーザ出力によって光損傷を生じることなく強力な非線形励起が可能になります。研究開発中の光学イメージング システムを臨床的に利用可能なものにするための取り組みが行われています。
IMRAの安定した頑強な小型フェムト秒ファイバーレーザはこの実用化を支援し、業界で最高の信頼性を提供しています。

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